お問合わせ
広島県獣医師会紹介
主な事業紹介
職域別情報
動物病院一覧表
講演会情報
学術情報
動物の疾病情報
会員専用サイト
四季情報
リンク集
動物の疾病情報

【動物名】

牛の第4胃変異 豚増殖性腸炎
牛の創傷性胃炎
牛の甚急性乳房炎
牛の顆粒膜細胞腫
−−−−−−−−−−−−−−−    −−−−−−−−−−−−−−−
・牛の第4胃変異                                     


「牛の第4胃変位」
 牛、特に乳牛にしばしば見られる病気で、第
4番目の胃が正常な位置から移動し、食物が小腸に流れにくくなり、中でガスを伴い風船のようにふくらみ腹の中を浮かび上がり、ひどいものは背中にまで達する。

「症状」
 急に食欲が無くなったり、次第に食べなくなるなど、中のガスの発生や浮かび上がる位置の違いで千差万別。急に腹をけりだす場合もある。

「原因」
 分娩との関係、食欲低下による腹の内容積の変化、飼料の急変、胃内容の異常発酵などによる胃の運動低下、ストレス、脂肪肝、遺伝的なものや神経麻痺などでこれらが複雑に絡み合っていると考えられる。

「診断」
 聴診によりわかりやすい独特の音が聞こえる。牛をよく観察するとお腹の中心より少し後ろが微妙に盛り上がる。

「治療」
 外科、内科治療があるが早く外科処置を施し、物理的に移動(変位)したものを物理的(外科的)に元の位置に戻すのが原則である。写真−
1のように中のガスを抜き第4胃を正常な位置(牛の右側で手術している切り口の下あたり)に写真−2のように縫合糸で固定する。
 治癒率は非常に高く、術後の経過は早ければ翌日には食欲が出て、
10日目の抜糸の頃には健康牛となる。

 

写真−1 写真−2
ガス抜き 縫合糸で固定
                                                   
                                            ▲TOPへ戻る
牛の創傷性胃炎                                     


「牛の創傷性胃炎」

 牛の創傷性胃炎とは、飼料とともに飲み込んだ異物(ほとんどが釘、針金など)がもとで、胃や横隔膜、もっと進んで心臓や脾臓までも傷つける病気で、反芻動物(牛や羊など)にとって、反芻することで症状が進行し易い。


「症状」
 飲み込んだ異物により症状は千差万別、腹痛、慢性的な消化不良、心臓や脾臓などの炎症、横隔膜炎など異物により症状が特異的で、突然死することもある。


「原因」
 牛の場合、畜舎の中で暇に任せてあちこちなめる事で、使ってある釘や、針金を飲み込んだり、工事のときなどに落ちてくるボルトやナット、ねじくぎなどを飼料とともに食べてしまう、あるいは自分をつないであるロープを食べたりすることでそれら異物が刺入(つきささる)したり、邪魔をして食べ物の通過障害を起こすことが原因となる。カウサッカーといって、磁石に紐をつけたものを飲ませて、釣り上げた原因(異物)の一部が写真1です。


「診断」
 金属探知機による検査、血液検査、特徴的な症状により診断する。


「治療」
 予防として、パーネットという磁石を飲ませそれに磁力で異物をくっつけておき、カウサッカーで釣り出す。
 
写真2のように、胃に穴を開け直接取り出せば確実。有刺鉄線や鎌、五寸釘、長いロープ、ビニールシートなど取り出した経験があります。(NOSAI森下記)

写真−1

写真−2

釣り上げた原因(異物) 胃に穴を開け直接取り出す
                                                    

▲TOPへ戻る

・牛の甚急性乳房炎                                     


「ウシの甚急性乳房炎」 
  乳牛の乳房炎の中でも最も症状が重いのが本症です。強い全身症状を伴って非常に急性の経過をとるので、迅速な診断・治療を必要とします。死亡率は10%程度ですが、泌乳量の著しい低下のため淘汰率は50%にも及びます。6月から9月にかけて、産後や乳量の多いウシに発症が多いので酪農家にとって非常にダメージの大きい疾病です。

「症状」 
  急な食欲低下・発熱などの全身症状を示します。重症のものは起立不能になったり、ショック症状をおこすこともあります。乳汁は水様性になることが多く(写真1)、泌乳量は激減します。毒素の影響が強い場合は乳房が壊死することもあります(写真2)。

「原因」 
  乳房内にグラム陰性桿菌という種類の細菌が感染することによって発症します。この菌は内毒素(エンドトキシン)を含んでいて、この毒素が激しい症状を引き起こします。

「診断」 
  初診時は水様性の乳汁や高熱、食欲廃絶、第一胃運動の停止、下痢、皮温の低下などの臨床症状と環境要因などから総合的に判断します。確定診断は乳汁の培養検査によります。

「治療」 
  原因療法として細菌とその毒素に対する処置を行います。これらが乳房内で増殖しているので、乳房内洗浄により排除したり抗生物質を用います。
また、炎症反応が非常に強く現れるので炎症に対する処置も必要となります。一旦発症してしまうと治療は困難なことが多いので、本症が多発する牛群ではワクチン接種などの予防を行っています。

 

写真−1 写真−2
水様性乳汁 一部壊死した乳房

水様性乳汁

一部壊死した乳房

                                                   
                                            ▲TOPへ戻る
・牛の顆粒膜細胞腫                                     


「顆粒膜細胞腫」
 顆粒膜細胞腫は牛の卵巣腫瘍で最も多く認められる。一般に片側性で、腫瘍が性ホルモンを分泌し異常発情を示す機能的なものと、無症状のまま経過する非機能的なものに分けられる。発生は比較的老齢牛に多く、罹患卵巣の摘出により生殖機能を回復した例も報告されている。

「症状」
腫瘍からホルモン分泌が認められるものは、思牝狂または持続的な発情行動を示すが、ホルモン分泌の無いものは、異常な発情行動は認められず無症状のまま経過する。外見的には、骨盤靱帯の弛緩が認められるが腫瘍の大きさ・重量に左右される。

「診断法」
直腸検査所見、超音波検査所見、外科的に摘出し病理組織学的な検索の実施、ホルモン測定など多くの情報から総合的に診断する。

「治療」
 罹患卵巣の摘出手術が最も有効。しかし、腫瘍の大きさや種類、患畜の全身状態により摘出手術が適さないこともある。ホルモン治療も考えられるが良好の成果は認められていない。

「腫瘍摘出手術」
 膁部切開による摘出手術を実施。腫瘍の大きさ・重量により術式は異なるが、可能であれば写真−1のように創外に腫瘍を誘導、写真−2のように血管・卵管・靱帯等を結紮した後摘出する。

 

写真−1 写真−2
創外に腫瘍を誘導 血管・卵管・靱帯等を結紮した後摘出
                                                   
                                            ▲TOPへ戻る
−−−−−−−−−−−−−−−    −−−−−−−−−−−−−−−
・豚増殖性腸炎                                     


「 病気 」
 豚増殖性腸炎(PPE)は,Lawsonia intracellularisL.i)が原因菌で、離乳後の育成期の豚に発生し、小腸及び一部大腸粘膜の過形成による肥厚を特徴とする消化器疾病群で、慢性型は離乳後から肥育前期の豚で認められ、元気消失、食欲不振、慢性の下痢を呈し発育不良となる。一方、急性型は出荷前の肥育豚など高月齢の豚に発生し、急性の経過で出血性下痢を呈して突然死する。
 

「 広島県内での発生状況 」
 広島県内では、平成13年度に初めて慢性型PPEが発生して以来、平成15年度までに4例が確認されている。 

「 広島県内の浸潤状況 」
 平成9年度の農場別で89.5%、個体別で61%と高い陽性率で、県内に広く浸潤している。 

「 予防・治療 」
 離乳時における一般的な衛生管理が予防の基本で、発症豚には抗生物質の投与が有効とされている。
 

右が結腸のHE染色、上皮細胞が増殖して重層化 左がワーチン・スタンリー染色

左:結腸のHE染色、上皮細胞が増殖して重層化。

右:ワーチン・スタンリー染色。陰窩上皮細胞の管腔側細胞質内に認められる多数の湾曲した桿菌(矢印)がL.i

(右)               (左)

▲TOPへ戻る

ホームへ戻る Site Map お問合わせ
Copyright Hiroshima Veterinary Medical Association, All rights reserved.